算数通信mathmath 第5号|8だけいない数の、ふしぎ

12345679。1〜9のうち、なぜか8だけいない数。これに9×好きな一桁をかけると、選んだ数が9個ずらっと並ぶ。めんどうな筆算が、確かめたくてたまらないマジックに化けるネタです。算数通信mathmath 第5号。
前田健太 2026.07.15
誰でも

算数通信mathmath、第5号です。

今回は、筆算の練習が「マジック」に化けるネタを。3〜4年生のかけ算の筆算あたりで使えます。

【今日のネタ】12345679 ×(9×好きな一桁)

黒板に、この数を書きます。

12345679

まず子どもに眺めさせると、誰かが気づきます。「8がいない!」。1から9まで順に並んでいるのに、8だけ抜けている。このつかみだけで、教室は少し前のめりになります。

そこで「好きな一桁を1つ選んで」と言います。7を選んだ子には、9×7=63を計算させて、12345679×63の筆算をやらせる。8桁×2桁なので、正直めんどうな計算です。ふだんなら「えー」が出ます。

でも、答えが出た瞬間に空気が変わります。

777777777

7が9個、ずらっと並ぶ。「えっ!?」となったところで、隣の子が「3でやったら333333333になった!」と声を上げる。自分の選んだ数がそのまま並ぶので、確かめたくてたまらなくなる。気づけば、全員が8桁×2桁の筆算を何回もやっています。ドリルなら嫌がる計算を、です。

種はシンプルで、12345679×9=111111111。だから9×7をかけるのは、111111111に7をかけるのと同じで、7が9個並びます。

僕がやるのは、種を先に言わないこと。何人かがゾロ目を出したところで、「なんでこうなるんだろうね」と投げます。高学年なら「じゃあ12345679×9はいくつになるはず?」で、種そのものに手が届く子も出てきます。

もうひとつの問いも残しておきます。「なんで8だけいないんだろう?」。これはけっこう深くて、111111111÷9を筆算でやってみると、8が生まれない理由が見えてきます。大人向けの宿題としてどうぞ。

明日やるなら、まず「8がいない」に気づかせてから。計算がめんどうであるほど、ゾロ目が出た瞬間の「えっ」が大きくなります。

それでは、また次号で。

無料で「算数通信mathmath」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
算数通信mathmath 第7号|20mのハンデは、公平か
誰でも
算数通信mathmath 第6号|青と黄色が、ひっくり返る(1年生・数...
誰でも
算数通信mathmath 第4号|ひき算に「終わり」はあるか(1年生)...
誰でも
算数通信mathmath 第3号|引き算なのに、答えが全部9の段
誰でも
算数通信mathmath 第2号|全員ちがう数なのに、答えが同じ
誰でも
算数通信mathmath 第1号|1から10、どう足す?