算数通信mathmath 第4号|ひき算に「終わり」はあるか(1年生)
算数通信mathmath、第4号です。
今回は計算ネタではなく、1年生とやったひき算の授業の報告を。「ひき算のきまり」から、最後は「無限」まで転がっていった時間の話です。
【今日のネタ】10−8、9−7、8−6…と並べたら、どこまでいくか
ひき算の計算練習。「10−8=2」「9−7=2」と続けて出していくと、「同じ答えだ」「次の問題、わかる!」という声が上がります。「なんでわかるの?」と聞くと、あちこちから「にじ!」「エレベーター!」と返ってきました。クラスで見つけてきた、きまりの名前です。
ところが、「にじはだめじゃないの?」という反論が出ます。「にじ」は、「9+1」と「1+9」のように、たされる数とたす数を入れかえても答えが同じ、というきまりでした。でも、ひき算はそうはいきません。「10−8」を反対にして「8−10」にすると、引けなくて答えが出せない。だから、ひき算に「にじ」は使えないね、と全員で確かめました。
では「エレベーター」の方はどうでしょう。「10−8」「9−7」「8−6」と、ひかれる数もひく数もそろって1ずつ小さくなるのに、答えはどれも2のまま。なるほど、とみんなが納得しかけた、そのときです。ある子が「でも、たし算のときと何かちがう気がする」とつぶやきました。
この子は、みんなが「わかった!」と盛り上がっているときに、こういう素直な違和感を口にしてくれます。おかげでクラス全体が、もう一度立ち止まります。
そこで、さっき「にじ」で使った「1+9」「9+1」のカードを、今度は「9+1」「8+2」「7+3」…と順に並べてみました。よく見ると、たされる数は1ずつ小さくなるのに、たす数の方は1ずつ大きくなっている。「両方そろって小さくなる」ひき算とは、たしかにちがう。あの違和感は、正しかったわけです。
このあと、答えが1や3に変わる式へ進めるつもりでした。ところが別の子が、おもしろいことを言い出します。「まだ上もあるよ!」。私が「なんだか変なこと言ってるなあ」ととぼけると、「ああ、たしかに」という子と「ないよ」という子に分かれました。その子は「11−9」「12−10」と、さっきとは逆に、ひかれる数もひく数も1ずつ増やして式を作っていきます。
まだ2桁の計算は習っていません。それでも「12−10」は、12を10と2に分ければ2になるのは当たり前だね、とここも確かめられました。
こうなると、子どもたちはもう止まりません。その上、さらにその上、とノートに式を書きながら、「ひき算は終わりがない!」「無限に続く!」と声が上がる。その熱のまま、今日の授業を終えました。
きまりを先にまとめなかったから、「にじはだめ」も「たし算とちがう」も「上もある」も、全部子どもから出てきました。並べて、自分で「次は?」を考える。それだけで、1年生が「無限」の入り口に立ちます。
明日やるなら、答えが同じになるひき算をたてに並べるだけ。「次わかる!」が出たら、「下は? 上は?」で広げてみてください。
それでは、また次号で。

すでに登録済みの方は こちら